はいはい、そこ聞きたいよね〜。
私ね、昔からこのキャッチコピーが好きなの。
一粒で2度おいしい
キャラメル「アーモンドグリコ」よ(笑) 古いCM。私と同年代の人は絶対わかるやつ。
だってね、直行便でも14〜15時間。 遠路はるばるパリまで行くのよ。
ひとっ飛びしちゃうより、 どこかで乗り継いで、その国もちょっとのぞいてみたいじゃない。 お得だもん。
それに経由便のほうが、お値段も安い! まあ、それ以前にフランスへの直行便は羽田空港のみだったしね。
パリも歩けて、ベトナムも歩けて、しかもお安い。 これぞ、一粒で2度おいしい旅ってわけ。
そうと決めたら、半年かけて調べまくって選んだのが——
ベトナム航空だったってわけ❤
ホーチミンで乗り継いで、パリへ。 2024年9月16日、月曜日。いよいよ出発の朝よ。
……なんだけどね。 先に言っとくね。
ベトナムに着くまでに、4回つまずきます。
そう。数えながら読んでね(笑)
朝6時、ホテルの前から無料バスで
前泊した東横INNを、朝6時ちょうどに出発。
セントレア(中部国際空港)までは、無料の送迎バスでたったの5分。 本当に助かった〜
チェックインも前の日にウェブで済ませてあったし、 我ながらいい滑り出し。

セントレアの窓から。いい天気!
……この時点では、ね。
日本を飛び立つ前に聞きたかったこと
この旅は乗り継ぎ。 ホーチミンで一度降りて、それからパリへ。
だからチェックインカウンターで、 どうしても聞いておきたいことがあったの。
「セントレアで預けたスーツケースは、 そのままパリ(シャルル・ド・ゴール空港)まで運んでくれるんでしょうか?」
聞いてみたら、答えはこう。
「ベトナム・ホーチミン(タンソンニャット空港)で一度受け取ってもいいですし、 そのままパリまで通しでもいいですよ」
えっ、選べるの?
いや、こわいこわい。ロストバゲージが、こわい。
スルーバゲージでお願いします。
慣れない乗り継ぎで、自分でスーツケースを受け取って、また預け直して。 その途中で何かあったらと思うと、ぞっとする。
ベトナムの滞在は約10時間。 宿泊もないから、スーツケースはいらないしね。
ちなみに「ベトナムに入国して観光して、空港に戻ってきたら、 ホーチミン発パリ行きのチケットを見せて出国してね」とも教えてもらえた。
聞いてよかった〜。 これでベトナムを歩けることがはっきりして、肩の力がすーっと抜けたの。
さあ、大きな荷物とはここでお別れ。 身軽になったところで——
プライオリティ・パスを使い倒す作戦
朝ごはんよ。 じつはね、これには作戦があったの。
当時ちょうど、セゾンプラチナビジネスアメリカン・エキスプレス・カードを 作ったばかりで、最初の1年は年会費が無料の期間。 空港のラウンジもサービスも、使い放題だったのよ!!
そりゃそうよ。 特にパスが使える飲食店が多いのがセントレア。 せっかくだもん、使い倒さなくちゃと思って(笑)
狙っていたのが、空港の中にあるお好み焼き店 「ぼてぢゅう」のテイクアウトサービス。
ところがね。
「ぼてぢゅう」って、人気店なのよ。 頼んだらすぐ出てくる、なんてものじゃないの。 テイクアウトでも、焼き上がるまでしっかり待つ。
そこを、まるっと計算に入れていなかったのよね。
このあと保安検査も出国審査も控えているのに、 のんびり焼き上がりを待っていたら、確実にギリギリになる。
結局、断念して保安検査へ。とほほ。
でもラウンジでゆっくりできたわ。 プラザプレミアムラウンジ。時刻は7時11分。
……と、しれっと書いてるけどね。
じつはコーヒーマシンの使い方がわからなくて。 違うボタンを押して、そのまま出てこないマシンの前で、 じーっと立って待ってたのよ。何分も。
言わないで(笑) 見かねたスタッフさんに声をかけてもらって、やっとわかったの。
機械に弱いのは、前日から一貫している。
(前の日にホテルの機械にも手こずっています。 その話は第1話で)
——つまずき、1回目。
そうしてやっといただいたのが、これ。

旅立ちの朝ごはん
ブロッコリー、ヤングコーン、オクラ、カリフラワーの、野菜ソテー。
朝からお好み焼きで胸焼けするより、 健康的なスタートになってよかったかも。
イギリス発のコスタコーヒーの本格的なエスプレッソも、 空きっ腹(笑)に沁みた〜

静かで、ひとりでぼんやりするのにちょうどいい
あの頃は良かったなあ。 せめてラウンジが使える身分になれるように、がんばって働かなくちゃねー。
さて、そろそろゲートへ。

この床のデザイン、なんかかわいい
9時3分、飛び立った
搭乗開始は8時10分。16番ゲート。 座席は29Aの、窓側よ。
昼間のフライトはね、絶対に窓側。景色が見たいんだもの。 夜をまたぐ便は、トイレに立ちやすいから通路側。 そこはもう決めてる。基本的にどの旅もね。
セントレアのターミナル1。 窓の外に、これから乗る飛行機が停まっていたわ。

ベトナム航空VN341。この子でホーチミンまで
さて、搭乗の列。 私、まん中くらいにちゃんと並んでたのよ。
それが、ちょっと問い合わせたいことがあって列をひょいと離れたら——
戻ったときには、最後尾。
そうなの(笑)
——つまずき、2回目。
しかもね、やっとの思いで機内に入って、 「はいはい、窓側窓側」ってすとんと座ったの。 窓の外をながめて、すましちゃって。
そこへ、キャビンアテンダントさんと、外国の方がやってきて。
「ここは、あなたの席じゃありませんよ」
逆側の窓際だった。
反対だったのよ〜。
もう顔から火が出そうで、すぐ戻りたいのに、 通路にはまだ、荷物を棚に上げている人たちが立ったまま。
すみません、すみませんって、 体を斜めにしながら、そろりそろり。 自分の席にたどり着くまでが、もう一仕事だったわ。
——つまずき、3回目。
そして9時3分。ほぼ定刻どおり、離陸。
このときの気持ちを正直に言うとね。 不安は、まだ半分あった。でもそれ以上に——
晴れ晴れとしていた。
なにしろ、この日のために半年よ。
YouTubeを見て、ブログを読んで、 乗り継ぎのこと、荷物のこと、現地の交通のこと。 それこそ念入りに、念入りに調べたんだもの。
その半年ぶんが、いま、ちゃんと形になって飛び立った。

窓の下に雲。ほんとうに始まってしまった
機内では、隣にベトナム人らしき若者がひとり座ってたんだけど、 私との間は空席。
長距離のフライトで、この空席はありがたかったー。
機内で、リンゴジュース事件
ここでもうひとつ自慢させて。 私、この便の最初の機内食をフルーツにしてたの。
選べるのよ。「特別食」っていってね。 調べてたら、ベトナム航空はエコノミーでも何種類もあると分かって。 これも下調べの成果。
ほら、朝は空港でたっぷり食べるつもりだったじゃない? お好み焼きとか(笑)
だからおなかいっぱいで、機内の朝食はきっと食べられないだろうな、と思ってね。 それで、軽いものを事前に予約しておいたの。
ふふ。ちょっとした旅上手でしょう?

リンゴ、キウイ、オレンジ、バナナ。予約しておいたフルーツの機内食
ところがね、これがあだになったの。
離陸してしばらくすると、まず飲みものが配られるでしょう。 私はリンゴジュースをもらって、テーブルに置いてあったの。 やっと座って、ふう、と落ち着いて。
それが、いくらも経たないうちに、 私のところにだけ、フルーツミールがすっと出てきたの。
特別食って、みんなより先に運ばれてくるのよ。 しかも思った以上に、かなり早く。
そんなに早く来ると思ってないから私、テンパってしまって。 受け取ろうと身を乗り出したはずみに、 体がテーブルのジュースにあたって——
リンゴジュース、まるごと倒しちゃった。
もー、嫌味ねえ(笑)
シートに、ブランケットに、自分の服に、べしゃっと。 おまけにほんの少しだけ、隣の男性の足元にあったザックにも飛んでしまってね。
でも彼はまったく気づいてなくて。 私も、なんだか言い出せなくて。
言わなきゃ、言わなきゃ…うーん、黙っちゃお……ごめんなさい。
…シーン…
言えなかったのよ〜。 フライトは約5時間。まあベトナムに着く頃には乾くかな、なんて。
——つまずき、4回目。
そんなこんなで、お昼すぎ。 窓の下に現れたのは赤褐色の大河、サイゴン川。 ホーチミンの激動の歴史を見守り、今も、まるでその腕で街を抱き込むように流れているの。
よく見ると、その川に赤いアーチのビンロイ橋、そして、ずっと奥の方に——
一本だけ、空へ突き抜けたビルが立っていて。 ランドマーク81。ベトナムでいちばん高いビルなんですって。
——なんて、これ全部、日本に帰ってきてから知ったこと。 あの時の私は、ただ「わあ」と言って、夢中でシャッターを押していただけ。

サイゴン川。赤いのがビンロイ橋、奥に突き抜けて見えるのがランドマーク81
びっしりと肩を寄せ合う、屋根、屋根、屋根。 そのすき間を、細い路地が縫っている。 この中に、これから私は降りていくんだ。
さあ、キャラメル一粒目のおいしいところ、ベトナム。
……と言いたいところなんだけどね。
ここからスマホがつながらなくて、 それはもう、四苦八苦することになるの。
うん。
果たして、街に出られたのか、私。
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うふころのひとことメモ
◆ 座席は「昼は窓側、夜は通路側」。
夜をまたぐ長いフライトは、通路側にします。 寝ているお隣を起こさずに、お手洗いに立てるからです。 シニアの一人旅では、ここは我慢しないほうがいいと思っています。
窓側を選ぶときも、ひと工夫。 富士山が見える側(新幹線と同じ考え方)とか、 海より陸のほう、というふうに、 景色に変化がある側を選ぶようにしています。
◆ 航空会社によっては、「特別食」を頼める。
航空会社によっては、事前に予約しておくと、 フルーツだけ・野菜だけといった特別な機内食にしてもらえます。 私が乗ったベトナム航空は、エコノミーでも種類が豊富でした。
ただし、頼めるかどうか、追加のお金がかかるかどうかは、 航空会社や便によって違います。予約するときに確認してみてください。 当日その場では頼めないので、事前の申し込みが必要です。
ひとつだけ注意があります。 特別食は、先に運ばれてくるということ。 まわりがまだ何ももらっていないうちに、自分のところにだけ来ます。 心の準備がないと、私のようにジュースをこぼします(笑)。






